○湧水町立学校徴収金取扱要領
令和4年12月12日
教育委員会訓令第4号
(目的)
第1条 この要領は,湧水町立学校・幼稚園(以下「学校」という。)における学校徴収金事務の基本的な取扱いに係る管理監督者の職務及び事務手続を定めることにより,学校徴収金事務の適正かつ効率的な運用を図ることを目的とする。
(学校徴収金の定義)
第2条 学校徴収金とは,学校教育活動を通じて幼児児童生徒(以下「生徒等」という。)に直接還元する目的で,学校で自ら一括購入や支払いをすることによって生徒等,保護者にとって利便性を生じるものについて,校長(幼稚園にあっては園長。以下同じ。)が保護者から徴収する経費及びPTA等,関係団体に係る会費等をいう。
(学校徴収金の種類)
第3条 学校徴収金の種類は,次の各号のとおりとする。
(1) 法令に基づく徴収金
会計区分 | 内容 | 項目 | 説明 |
給食費 | 学校給食費 | 給食材料費 | |
保健費 | スポーツ振興センター掛金 | (独立行政法人)日本スポーツ振興センター共済掛金 |
(2) 学校教育活動に係る徴収金
会計区分 | 内容 | 項目 | 説明 |
行事費 (積立金) | 行事費 | 遠足,校外学習,芸術鑑賞等の行事に要する経費 | |
修学旅行費等 (積立金含む) | 修学旅行,宿泊研修等に要する経費(積立金含む) | ||
生徒会費 | 生徒等の学校教育活動に要する経費及び諸費(生徒等の保護者等が等しく負担する必要のある経費及びこれに準ずる経費) | 生徒会費 | 生徒会の運営に要する経費 |
教材実習費 | 教材(実習)費 | 学習教材,実験・実習費,学力 検査等に要する経費 | |
選択教科費 | 選択教科に要する経費 | ||
学校諸費 | 用紙費 | (色)画用紙,色上質紙等に要する経費 | |
各学年費 | 学年毎の教育活動に要する経費 | ||
進路指導費 | 進路指導に要する経費 | ||
事務費 | 納入袋等徴収に要する経費,各種手数料等 名札,ゼッケン,生徒手帳等経費,幼稚園おやつ代 | ||
諸雑費 |
(3) 関係団体に係る主な徴収金
会計区分 | 内容 | 項目 | 説明 |
PTA会費 | PTAの運営に要する経費 | PTA会費 | |
PTA共済会費 | |||
部活動振興会費 | 部活動等の振興に要する経費 | ||
部活動費 | 部活動費 | 部活動加入者による経費 | |
同窓会費 | 同窓会費 |
3 項目は第1項の例示を参考に,学校の事情により設けることができる。ただし,給食費については,項目は分けることができない。
4 項目には,その内訳である細目を設けることができる。ただし,給食費については,細目は分けることができない。
(PTA会費等の徴収)
第4条 第3条第1項第3号の学校徴収金については,校長は,その徴収等について関係団体から委託を受けたものと推定する。
(会計年度)
第6条 会計年度は,毎年4月1日に始まり翌年3月31日をもって終了する。
2 当該年度において発生した収入,支出に係わる出納整理は,3月31日までに完了しなければならない。ただし,給食費の収入,支出に係わる出納整理は,翌年度の4月30日までに完了しなければならない。
(責任体制)
第7条 学校徴収金の管理責任者は,校長とする。
2 教頭,幼稚園にあっては園長の指名する職員(以下「教頭等」という。)は,学校徴収金事務を統括する。
3 校長は,学校徴収金の事務を学校内で分担し,校内分掌等で予決算,経理,物品の購入等に係る担当者を定めなければならない。
4 前項の場合,原則,一連の事務が同一の職員によって行われることのないようにしなければならない。
(校長の職務)
第8条 校長は,学校徴収金の事務処理にあたり,おおむね次の各号に定める事項を実施する。
(1) 学校徴収金に係る計画の決定に関すること
(2) 学校徴収金に係る予算及び徴収金額の決定に関すること
(3) 学校徴収金に係る決算を決定し,保護者等に報告すること
(4) 学校徴収金に係る執行管理にあたり,関係職員に必要な指示を行うこと
(5) 学校徴収金の収支状況及び金銭出納簿等を照合し,内容を確認すること
(6) 学校徴収金運営委員会を設置し,会議の運営に必要な指示をすること
(教頭等の職務)
第9条 教頭等は,学校徴収金の事務処理にあたり,前条各号の職務に関し,統括者としての職責を果たさなければならない。
(学校徴収金の取扱い)
第10条 学校徴収金は,保護者等からの委任に基づき徴収するものであるから,校長は,事務処理にあたっては,善良な管理者の注意をもって処理しなければならない。
(徴収金額)
第11条 校長は,学校徴収金(第3条第1項第3号に規定する学校徴収金を除く。)の額の決定にあたっては,保護者の理解を得るとともに過度な負担とならないように努めなければならない。
(徴収方法)
第12条 学校徴収金の徴収時期,回数,方法,各月ごとの徴収金額及び納入期限は,学校の実情に応じて校長が定める。
2 校長は,徴収金額を決定したときは,保護者等に対し,徴収金の内容及び納入方法等を通知しなければならない。
(予算)
第13条 校長は,会計区分ごとに予算書を作成しなければならない。
(決算)
第14条 校長は,会計年度終了後速やかに会計区分ごとに決算書を作成し,その結果を,監査の結果と併せて保護者に報告しなければならない。ただし,会計年度終了前において,すべての経理事務が完了した場合は,年度途中においても決算することができる。
(収入事務)
第15条 収入は,会計区分ごとに行い,速やかに関係帳票を整理しなければならない。
2 収入金は,校長がやむを得ないと認める場合を除き,収入の日から7日以内に金融機関に預け入れなければならない。なお,収入の日の翌日以降に金融機関に預け入れる場合は,現金管理簿により現金の管理をしなければならない。
3 納期限を越えている未納金のうち一部に係る納付が保護者からあった場合の充当については,民法の規定による。
(督促)
第16条 校長は,保護者が納期限までに納入しないときは,督促しなければならない。
(還付)
第17条 校長は,収入済みの学校徴収金について,これを還付すべき事情が生じたときは,速やかに保護者に還付しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず,納期限を越えている未納金がある場合には,民法の定めにより還付金と相殺することができる。
(物品等購入事務)
第18条 物品を購入するとき又は役務の提供を受けようとするときは,物品の購入等に係る担当者は次の各号に定める事項を記載して,事前に校長の決裁を受けなければならない。
(1) 会計区分及び項目
(2) 品名・規格(役務契約にあたっては業務内容)
(3) 数量
(4) 単価・支出予定金額
(5) 見積業者
(6) その他必要事項
2 学校徴収金の支出にあたっては,原則,納品又は業務履行後に行う検査完了後に,請求に基づき行うもの(「通常払い」という。)とするが,経費の性質上,納品若しくは業務履行時に直接現金による支払いをしなければならないものは,あらかじめ前項各号に定める事項並びに必要な理由,現金取扱者,現金取扱期間及びその他必要な事項を明示し,校長の決裁を受け,現金取扱者に現金を前渡(「前渡払い」という。)することができる。この場合,やむを得ず1箇月を超えて継続的に使用を要する経費については,現金取扱者は前渡金管理簿を記載の上,収支状況を明らかにしておかなければならない。
3 三者以上の業者から見積もりを徴し,契約締結について校長の決裁を受けた上で,最低価格を提示した業者と契約しなければならない。ただし,調達の性質又は目的が価格以外の条件を必要とするものであり,かつ,当該条件を業者に通知している場合には,最も有利な条件を示した者を契約の相手方とすることができる。この場合,契約の相手方に係わる決定理由を議事録等の書面で記録しなければならない。
(1) 支出予定金額が税込10万円未満のとき。
(2) 販売,修理等を行う者が1人に特定されるとき。
(3) 商慣習上定価で取引されることが一般的な場合で,競争に適さないとき。
(4) 現に履行中の物品の購入等において,当初予期し得なかった事情の変化等により,既契約者に追加発注することが有利と認められるとき。
5 次に掲げる場合には,見積書の徴取を省略することができる。
(1) 定価で販売されることが義務付けられている物品を購入するとき。
(2) 役務を提供する者及び料金等が法令等により定められているとき。
(3) 第4項各号に該当する場合において,見積書を徴することが出来ない場合,かつ見積書に準ずるものにより販売等価格が確認できるとき。
(4) 第4項第4号に該当する場合において,当初契約における販売等価格単価から金額の変動がないことを当初契約者に確認しているとき。
(5) 第2項に定める「前渡払い」によるとき。
6 納品や業務履行が完了した場合,原則,その納品・履行内容が適正なものかを検査し,瑕疵が無い場合は校長に検査結果を報告しなければならない。
(支出事務)
第19条 支出は,債権者の請求に基づき行う。
2 経費を支出するときは,前条第6項により請求内容が契約どおり履行されていること及び正当な債権者であることを確認し,事前に校長の決裁を受けなければならない。
3 前条第2項の現金による支出の場合は,現金取扱者は事前に現金を受領した上でこれを契約業者に支払い,領収書等をもとに現金取扱期間終了後7日間以内に精算しなければならない。
4 支出を済ませた場合は,領収書等の関係帳票を速やかに整理しなければならない。
5 立替払は,これを禁止する。
(相殺の禁止)
第20条 収入と支出の相殺をしてはならない。
(預金通帳)
第21条 預金通帳は,会計区分ごとに作成するものとする。
2 預金通帳の名義人は,校長又は校長が指名した者とする。
3 預金通帳と届出印鑑は,別々に保管しなければならない。
4 収入,支出の金額は,預金通帳,金銭出納簿及び関係帳票と符合しなければならない。
(流用の禁止)
第22条 異なる会計区分間の流用はしてはならない。
(翌年度繰越)
第22条の2 決算において余剰金が発生した場合は,第17条の規定にかかわらず,翌年度に繰り越すことができる。
3 前2項の規定により繰り越す場合は,保護者に報告しなければならない。
(関係書類の整理保管)
第23条 関係帳票の整理は,会計区分に従って適正に分類整理しなければならない。
2 収入,支出に係る証拠書類(電磁的記録を含む。)の保存期間は,会計年度終了後5年とする。ただし,未収金に係る債権管理に必要な証拠書類(電磁的記録を含む。)の保存期間は,その債権に係る管理終了後5年とする。
(割戻手数料等の禁止)
第24条 校長及び職員は,物品の購入,指名に関連して業者から割戻手数料,謝礼,その他いかなる名目の金品若しくはサービスの提供を受け,又は提供を求めてはならない。
(会計検査)
第25条 校長は,会計事務処理の適正を図り,併せて事故を未然に防止するため,会計検査を実施する。
2 会計検査事項は,次の各号のとおりとする。
(1) 現金,預金通帳の取扱い及び保管状況
(2) 諸帳簿,関係帳票等の処理状況
(3) その他校長が必要と認める事項
3 会計検査は,次の各号の区分で定期的に行う。
(1) 1学期(4月1日から8月31日まで)は9月
(2) 2学期(9月1日から12月31日まで)は1月
(3) 3学期(1月1日から3月31日まで)は3月
4 前項に定めるもののほか,教育長が必要と認めたとき,校長に特別検査を行わせ,その結果を報告させることができる。
5 会計検査は,校長が自ら行わなければならない。ただし,必要に応じて所属職員に補助させることができる。
6 校長は,次の各号について文書により記録しなければならない。
(1) 検査の対象とした事項
(2) 検査の方法
(3) 検査結果
(4) 検査年月日,検査者職氏名
7 校長は,学校徴収金事務の執行において事故があったときは,教育長に検査の結果を報告しなければならない。
(監査)
第26条 会計年度の決算書を作成したときは,監査委員の監査を受けなければならない。監査の結果は,決算の報告と併せて保護者に報告しなければならない。
2 監査を受けるときは,預金通帳(残高証明),支出証拠書類等の関係帳票を提出しなければならない。
3 監査委員は,校長が,保護者から選出する。
(指導,調査)
第27条 教育長は,校長に対し,学校徴収金に関し,必要に応じて指導及び調査を行うことができる。ただし,第3条第1項第3号の学校徴収金については,関係団体からの委託を受けたものと推定する徴収等に係るものについて必要に応じて指導及び調査を行うことができる。
附則
(施行期日)
この要領は,令和4年12月1日から施行する。