○湧水町建築物等木材利用促進方針

平成24年10月22日

訓令第11号

この方針は,脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成22年法律第36号。以下「法」という。)第12条第1項の規定により,鹿児島県建築物等木材利用促進方針に即して「湧水町(以下「町」という。)建築物等木材利用促進方針」(以下「方針」という。)を策定するものである。

第1 建築物における木材利用の促進の意義及び基本的方向

公共建築物のみならず,これまで木材利用が低位であった非住宅の建築物を含む建築物全体に木材利用を促進することは,地域社会の維持・発展に寄与する林業・木材産業の持続性を高め,森林の適正な整備,森林の有する多面的機能の発揮や,炭素の貯蔵を通じた脱炭素社会の実現,快適な生活空間の形成,地域経済の活性化等に大きく貢献することとなる。

このため,町は,本方針に基づき,率先して,木材利用に努め,その取組状況や効果等について情報発信を行うことにより,木材の特性やその利用促進の意義について町民の理解の醸成を効果的に図る。

また,民間建築物における木材利用が促進されるよう,関係者との連携を緊密にし,木材の調達や支援措置等に関する情報提供など,木材利用に取り組みやすい体制整備に努めるものとする。

第2 建築物における木材利用の促進のための施策に関する基本的事項

1 公共建築物における木材利用の促進

町は,法第5条に規定する地方公共団体の責務を踏まえ,町が整備する公共建築物において,自ら率先して木材の利用に努める。

なお,町が整備する公共建築物とは,広く町民一般の利用に供される教育施設,社会福祉施設(児童福祉施設等),社会教育・体育施設(公民館,体育館等),町営住宅等の建築物のほか,町の事務・事業に供される庁舎等をいう。

2 建築物木材利用促進協定制度の活用

(1) 建築物木材利用促進協定の周知

町は,法第15条に定める建築物木材利用促進協定制度について,同制度の活用により,建築物における木材利用の取組が進展するよう,建築主となる事業者等に対する同制度の積極的な周知に努めるものとする。

(2) 建築物木材利用促進協定の締結の判断基準

町は,事業者等から建築物木材利用促進協定の締結の申出があった場合,法の目的や基本理念,本方針に照らして適当なものであるかを確認し,締結の応否に係る判断を行うものとする。

(3) 建築物木材利用促進協定による木材利用の促進

町が建築物木材利用促進協定を締結した場合には,協定の内容等をホームページ等で公表し,協定に定められた取組方針に即した取組を促進するため,協定締結者に対し,活用できる支援制度や木材利用に係る技術的な情報提供を行うとともに,取組内容について情報発信するものとする。

3 木材利用の促進の啓発

町は,ホームページやパンプレット等における先導的な木造建築物の事例の紹介等により,木材利用の効果について積極的に町民への普及啓発を行う。

建築物における木材利用について広く町民の関心と理解を深めるため,特に,木材利用促進の日(毎年10月8日)及び木材利用促進月間(毎年10月)にあわせ,関係団体等とも連携し,木材利用に関する関連イベントの実施,ホームページ等の各種媒体における情報発信等の事業を重点的かつ広範囲に実施するものとする。

第3 町が整備する公共建築物等における木材利用の目標

町が整備する公共建築物等の木造化,内装等の木質化等を進めるに当たっては以下によるものとする。

(1) 木造化の推進

町は,その整備する公共建築物のうち,積極的に木造化を促進する公共建築物の範囲に該当する公共建築物については,原則として全て木造化を図るものとする。

(2) 内装等の木質化の推進

町が整備する公共建築物については,可能な限り内装等の木質化を推進するものとし,別表1を参考とする。

(3) 木製備品導入等の推進

町が整備する公共建築物において使用する机,椅子,書棚などの備品の整備に当たっては,可能な限り木製品の導入を推進するものとする。

また,町が調達する紙類,文具類等の消耗品については,間伐材等を使用した製品の購入に努めるものとする。

(4) 公共土木事業における木材利用の推進

山腹・河川や道路など町が実施する公共土木事業については,可能な限り木材の利用を推進するものとし,その場合の基準は別表2のとおりとする。

(5) 町が補助する公共建築物等における木材利用の促進

町が行う公共建築物及び公共建築物以外の建築物等の整備への補助においては,(1)から(4)に準じて可能な限り木材が使用されるよう,事業主体に要請するものとする。

(注)本方針において「木造化」とは,建築物の新築,増築又は改築に当たり,構造耐力上主要な部分である壁,柱,梁,けた,小屋組み等の全部又は一部に木材を利用することをいい,「内装等の木質化」とは,建築物の新築,増築,改築又は模様替えに当たり,天井,床,壁,窓枠等の室内に面する部分及び外壁等の屋外に面する部分に木材を利用することをいう。

第4 その他建築物等における木材利用の促進に関し必要な事項

1 公共建築物等の整備においてコスト面で考慮すべき事項

公共建築物等の整備に当たっては,一般に流通している木材を使用する等の設計上の工夫や効率的な木材調達等によって,建設コストの適正な管理を図ることが重要である。

また,建設自体に伴うコストにとどまらず,維持管理及び解体・廃棄等のコストや木材利用による付加価値等も考慮し,これらを総合的に判断した上で木材利用に積極的に努める必要がある。

2 建築物等における木材利用の促進のための推進体制

(1) 町は木材の円滑な利用を推進するため,庁内に「木材利用推進協議会」(以下「協議会」という。)を設置し,庁内における木材利用を推進するとともに,民間建築物における木材利用の促進を図る。

(2) 協議会の設置要綱は,別に定める。

3 推進方法

(1) 関係各課は,その所管する事業について,木材利用の推進方策及び公共建築物等の木造化,内装等の木質化等の可否について検討し,担当者会にその結果を報告する。

(2) 担当者会は,関係各課の検討結果について,客観的な立場から検討を行い,その結果を協議会に報告する。

(3) 協議会は,木材利用の推進について総合的な調整を行う。

(4) 産業振興課は,木材利用を推進するため,関係各課に木材や木造施設に関する情報の提供を行うとともに,協議会の運営に関する事務を行う。

4 木材の供給及び利用と森林の適正な整備の両立

建築物等における木材利用に当たっては,無秩序な伐採を防止するとともに的確な再造林を確保するなど,木材の供給及び利用と森林の適正な整備の両立に努める。

この訓令は,平成24年10月22日から施行する。

(平成31年4月1日訓令第2号)

この訓令は,平成31年4月1日から施行する。

(令和5年2月22日訓令第3号)

この訓令は,令和5年4月1日から施行する。

別表1(第3(2)関係)

(令5訓令3・旧別表2繰上・一部改正)

<参考>内装等の木質化を推進する施設の事例

内装等の木質化を推進する施設

内装等の木質化を推進する箇所

共通の箇所

施設毎の箇所

行政施設(庁舎等)

ホール

ロビー

廊下

会議室又は研修室

事務室,応接室

教育施設(学校,幼稚園等)

教室,職員室,図書室,保健室等

社会教育・体育施設(公民館,体育館等)

更衣室等

文化施設(図書館等)

事務室,展示室,図書室等

社会福祉施設(児童福祉施設等)

面談室,娯楽室等

住宅施設(町営住宅,教職員住宅等)

居室等

その他施設(物品販売所,倉庫等)

事務室,物販室等

別表2(第3(4)関係)

(令5訓令3・旧別表3繰上・一部改正)

公共土木事業木材使用基準

第1 目的

この基準は,公共土木事業における木材の使用に関する基準等を示し,間伐材を主体とした県産材の有効かつ積極的な利用を図るとともに,適切な事業の推進に資することを目的とする。

第2 適用

対象とする工事は,町が事業主体となり,国庫・県補助事業や町単独事業等で施工するすべての土木工事とする。

第3 木製構造物等の使用基準

次のような条件のいずれかに該当する箇所については,積極的に木製構造物等を設置するものとする。

なお,「工種別の木製構造物等使用基準」に掲げる工種については,現場条件等が合致する場合は原則木製とする。

1 衝撃緩和や吸音効果など,木材の持つ物理的・科学的特性を生かす必要がある箇所

2 河川や渓流など,景観や自然環境に配慮する必要がある箇所

3 木材使用により,心理的・生理的な効果を期待する箇所

4 土石流等のおそれのない小河川・小渓流や背面土圧の小さな箇所で,木材が腐朽するまでに植生の繁茂等により,その機能の代替が見込まれる箇所

5 木材が腐朽しにくい水中や土中など,長期間機能の発揮が期待される箇所

6 補修等が容易で,簡易な構造物や仮設物の設置が可能な箇所

第4 使用する木材

使用する木材は,県内で育成,生産され,かつ加工されたものを優先的に使用する。

工種別の木製構造物等使用基準

工種

木製構造物を使用する現場条件等

構造物の種類

備考

柵工

・景観や自然環境に配慮する必要があり,作用する背面土圧が小さく,木製でも安全性が確保でき,かつ構造物として耐久性を必要としない箇所

・木柵工


・法勾配が1:0.5より緩勾配の箇所で設計流速4m/s以下の河川

・杭柵工


・景観に配慮する必要があり,法面の維持管理が軽減される箇所

・竹柵工

・ネット柵工


・景観や自然環境に配慮する必要があり,主として出入りを防止することを目的とする箇所

・木製防護柵工


防風工

・越波の影響を受けにくく補修が容易である箇所,又は,植栽地に施工する防風工

・防風ネット工

・竹簀防風工

・木製防風工


植栽工

・木チップの流出や散乱対策の講じられる箇所,又は,景観や自然環境に配慮する必要がある箇所

・木チップマルチング

・木製支柱


公園緑地等

・景観や自然環境に配慮する必要があり維持管理等が容易である箇所

・木製階段工

・四阿,休憩所

・テーブルベンチ

・案内板・簡易柵


仮設工

・イメージアップ経費を計上している箇所

・工事中案内板

・ゴミ箱

・仮囲い(簡易柵)


型枠工

・一般型枠(型枠用合板)を使用する場合は,原則としてスギ複合合板型枠を使用する。



《準用項目》

以下の工種(構造物)については,過去に設置した施設の経過や,将来的な維持管理を考慮して,支障がない場合は,原則使用する。

工種

木製構造物を使用する現場条件等

構造物の種類

備考

切土

・景観や自然環境に配慮する必要がある箇所,又は,表面浸食防止を目的とした吹付工と併用し,設置することによって法面の維持管理が軽減される箇所

・木製法面パネル工


湧水町建築物等木材利用促進方針

平成24年10月22日 訓令第11号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第7編 産業経済/第2章 林/第4節
沿革情報
平成24年10月22日 訓令第11号
平成31年4月1日 訓令第2号
令和5年2月22日 訓令第3号